子うさぎのお世話
「……うわ!?超可愛い!」
「どこのクラスだ…!?1年!?」
廊下の隅っこで何やら難しい表情をして、ぎゅうっと胸元を握る極上に愛らしいメイドは…かなり目立っていた。
「…あれぇ~!うさたん?」
「………!」
その声にハッと我に返り、雪兎は声のほうに振り返った。
声の主はパタパタと駆けよって来る。
「……あき…?」
「あき?じゃないよ~。うさたんメイド超目立ってるから…」
そこには白いネコ耳と同じく白いながいしっぽを着けた秋良が呆れ顔で立っていた。
「あきが《気まぐれ猫ちゃん》なの?」
雪兎が聞くと、秋良は人懐こい笑みで頷いた。
「完璧でしょ~♪孤高の狼様には負けるけど~…じゃなくて!一人でこんなトコうろついてちゃダメでしょ~?」
秋良は珍しく怒った表情で雪兎の頬をツンとつつく。
「ハルの狼さん見に来たんだけど……」
そう告げて、それから先がなかなか出て来なくて雪兎は思わず黙り込む……。
「……?うさたん?ハル呼んでこようか…?」
明らかに元気のない雪兎を怪しんで秋良は心配そうにそう言ってくれた。