子うさぎのお世話
子うさぎと嫉妬
「……うさ…?
……っ!?」
「………!」
その声にパッと振り向くと、
麗しの孤高の狼様のままの時春が、なぜか口元を片手で覆い…目を見開いて雪兎を見ていた。
微かに彼の目元が赤い……。
「ハル…」
呆然と立ったまま雪兎はポツリと名前を呼んだ。
時春はその声にハッとして、ゆっくりと雪兎に近づいた。
「うさのクラスもこんなのやってんのか…?」
そう言って、雪兎の頭につけられたウサ耳をピンと引っ張った。
「……!あ…これは…っ」
指摘されて自分の恰好を思い出し、焦る。
「あ~…違う違う。さっき来栖が俺を呼びに来ててー、うさたんに着けてった。」
「……来栖?」
秋良がそう説明すると、時春の瞳がピクリと鋭くなる。
「や…!なんもしてませんてっ!」
険悪になってきた時春に秋良は慌ててそう付け加えた。
時春はジトリと雪兎を見つめている。
(な…なんか、ハル…怒ってる……?)
彼はあからさまに不機嫌なオーラを醸し出している。
「…そんな恰好するなんか聞いてない。」
不機嫌そうに一言。
「こ…っ、これは…、接客係が一人足りなくなって……っ」
「うさじゃなくてもいいだろ?」
「……!」
雪兎が説明しようとしても、時春は何だか聞く耳持たない感じで怒っている……。