子うさぎのお世話
その頃――
雪兎は一人…屋上にたどり着いていた。
忙しい今の時間、屋上には雪兎ただ一人……。
貯水槽の横で小さくなって膝を抱えてうずくまっていた。
激しく自己嫌悪に陥って………。
時春がなぜあんなに怒っていたのかはわからないけど…
自ら頼んだはずの時春の恰好を自分が責めてしまったのはお門違いというもので……。
しかも、…『女の子にきゃあきゃあゆわれてたもん!』
あのセリフ!
(恥ずかしい…恥ずかしい…っ!)
アレはまさに自分のモヤモヤの正体だ。
話しも聞いてもらえず怒られたとは言え…、あのことに関しては時春は何一つ悪くなんかないのに……。
カフェで女の子達からピンクの視線を浴びていた時春を見た時の自分の気持ち。
ハル…わたし以外の人のこと見ないで
わたしのハルをそんな目で見ないで
「………っ!」
今なら解る。
アレは嫉妬。
独占欲とか…そんなドロドロした思いだった……。
雪兎はぎゅうっと更に膝を抱え…潤みそうになる目頭をそこにギュッと押し付けた。