子うさぎのお世話

だけど、



雪兎は時春に背を向けてその場に座りこんだ。



「来ないで…っ！見ないで…っ！やっ…なの！！」



「…うさ……？」



頑なな雪兎に時春は戸惑いを隠せない。



時春に顔を向けられない…その理由。



――――それは



「……ハルに…きらわれる…っ」



「………！！？」



恥ずかしい…こんな思い…。



嫉妬にドロドロした自分の気持ちを知られてしまったら……時春だってイヤになる…そう思ったら…



…怖くてたまらなかった。



「………！！」



そんな雪兎を…時春は後ろからギュッと抱きしめた。



時春の腕のなかは温かくて…堪えていた涙がまたじわりと浮かんだ。



「俺がうさを嫌いになるわけないだろう…？」



「………！」



そうして後ろから雪兎の頬に優しくキスをする……。



「……っ。」



頬に触れた温かくて柔らかな感触に、雪兎は思わず振り返った。



「…やっと顔見たな？」



振り返って見た時春の顔は呆れても怒ってもいなくて……



むしろ優しくてどこか嬉しそうな表情だった。