子うさぎのお世話




「……呆れてないの…?怒っても……」



ないの?…と不安気な小さな声で聞いた。



時春はクスリと笑うと、



「俺はうさにやきもち焼いて貰えて…嬉しくてたまんないんだけど?」



そう、本当に嬉しそうに笑った。



「う…嬉しい…??」



あんなにドロドロとイヤな事を考えたのに…??



「……俺はそんなのしょっちゅうだけど…」



「……ハルが…っ!?」



小さな告白に心底驚いた雪兎の反応に時春はバツの悪い顔をして



「俺は五十嵐にだって嫉妬してる…って言ったらどう思う…?」



「なつ…っ!?なつは女の子で……」



友達…なのに?



見上げた時春の顔は少し気まずそうな表情で…



「おまえは…五十嵐が大好きだから……。」



まるで拗ねているように言ったのだ。



「わ…、わたしがなつを大好きだから……」



そう思わず声に出すと時春はムッとして



「大好きだし、同性だからいくらベタベタしても怒れないだろ。」



「ベタベタ……っ!?」



これは本当にやきもちを焼いているらしい…と雪兎は驚いてしまった。






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