子うさぎのお世話
広いリビングのテーブルには
母手作りの美味しそうで豪華な料理やケーキがところ狭しと並んでいた。
いつも忙しい母がこんなに手の込んだ料理の数々を自分達の為に用意してくれたなんて…雪兎はそれだけで思わずじ~んとしてしまう。
「さぁ!座って座って!まずは乾杯よ~?」
にこにこしながら二人を促すと、二人にオレンジジュースのグラスを持たせ、自分はちゃっかりワインなんぞを開けている。
「パパはロスから帰って来れなくて残念だけど…その分しっかり私がお祝いしてあげるから!」
「おじさん相変わらず忙しそうですね。」
母は時春の言葉に肩をすくめながら
「雪兎の制服だけは絶対に見に帰るって意気込んでたんだけど…ちょっと帰国の目処がたたなくなっちゃったのよねぇ…。」
後で写メでも送ってやるわと、何やら悪い笑みを浮かべている。
純粋にハンガーに掛かった雪兎の制服を写メして送りそうだ…。
異国で頑張る父を思い、雪兎は思わず…不憫だなぁと思ってしまった。