子うさぎのお世話
「……品行方正な委員長さんのする事とは思えないね」


棗はク…っと笑うと


「生徒の恋愛にちょっかい出すのも、聖職者としてありえませんね」


睨み付けるように英彰を見た。


「ずいぶんと時春の肩をもつね。君はそうだとは思わないのかな?」


英彰はまるで心外だとでも言うようだった。


そんな態度も、ますます棗の感に障った。



「ハルはうさを好き過ぎるのよ。あの子のことだけしか考えてない。そんなハルに…あのタイミングで……たいした腹黒ね?」


「………!」


英彰は微かに目を開き少しだけ驚いたようだった。


「たいしたものだね…。でも、僕は雪兎ちゃんを幸せにするよ?」


――――!!



――――ガシャーーッン!!




棗の手によって、落とされた花瓶から白い百合の花が……


雫をたらし……


まるで泣いているかのように横たわっていた。






< 157 / 197 >

この作品をシェア

pagetop