子うさぎのお世話
雪兎はピン…!と時春の制服のネクタイを手に絡めて引っ張った。


「………!?」


そのままグッと引っ張って、困惑する彼に口付けた。



「……はぁ…っ、うさ…っ?」


雪兎は時春の唇をペロリと舐めて……


息をあげる時春を見つめた。



「………ハルがいなきゃ死んでるの…」


「………!!」



みるみるうちに雪兎の瞳に涙がたまっていった……。



「ハルがいなきゃダメなの。思い出だけじゃもう足りない。ずっと側にハルの温もりがなきゃ眠れない。
―ハルがいなきゃ…わたしはもう死んでるの…!」


――だから、

優しい声で呼んで
抱っこして
頭なでて

わたしを…また、抱いて


あなたがいないと何も出来ない…したくない。

誰が側にいても

さみしくて
さみしくて
さみしくて


死んでしまいそう……


「…ハル、ハル…っ、もっとちゃんと――だっこ、してぇ……っ!」





雪兎は時春に向かって必死で小さな手を伸ばしていた――……







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