子うさぎのお世話
「……アキに、ぶん殴られた」


ポツリと言うと、


雪兎は驚いたように顔をあげた。


腫れた目が痛々しい……。


時春は雪兎の目尻に優しくキスをしながらまた話し始めた。


「おかげで目が醒めた。……ムカつくから殴り返してきたけど」


ニヤリと笑って、


『親友の激昂を普通殴り返すやついるか~…っ』と、涙目で訴える秋良を思い出す。


思い出して笑みがこぼれた。


「アキもナツも…いいヤツだな…。おかげで俺はおまえを無くさずにすんだ」


友達と呼べる人がいてよかったと…時春は初めて思った。


自分と雪兎の想いをわかって……守ってくれた。


「もう……誰に何を言われても、揺らいだりしない…!」


雪兎をもう一度抱きしめながら、自分はもう大丈夫だと思った。


俺は雪兎を壊したりなんかしない。


雪兎は自分をしっかり受けとめてくれていたのだ。


それに…こんなに大切なものを……壊したりなんか出来ないんだ。


秋良と棗はそれをよくわかってくれていた。







「ハルがいてくれたら…何も怖くないよ……」

雪兎は時春の思いを全てわかっているようにそう言った。
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