子うさぎのお世話

季節はめぐる

次の日――



以前以上にべったりな二人に周りはがっかりなため息をついた。


「奪えると思えるのが怖いわよ」


棗はふん!と鼻を鳴らして…でも気分よさそうにそう言った。


「……ハルのあほ~…」


秋良は腫れた頬にシップをつけて今だに時春にぶつぶつ文句を言っている。


それでも、元通りな二人を満足そうに見ていた。


「なつ…!あき…!心配かけてごめんなさい…」


雪兎が二人に謝ると、二人はにっこり笑って


「うさが幸せなら…もう全然いいの!」


「そうだよ!うさたんは俺達の癒しだから~♪」


なんでもないと言うように二人は雪兎の頭を優しく撫でてくれた。


「………っ!」


嬉しくて、雪兎は二人にギュッと抱きついた。


「「……!!」」


棗と秋良は慌てて時春の顔を窺ったけど…、時春は穏やかでいつもと変わらぬ態度だ。


不思議そうな棗と秋良に気付くと、ニヤリと笑った。


「……おまえらは特別」


「「………!!」」


その言葉に、今度は二人が時春に抱きついた―――……。


雪兎も嬉しそうにそれを見た。


時春は迷惑そうにしてるけど…


その顔はどこか楽しげだった。




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