子うさぎのお世話
ドキドキしながら時春を見つめていた雪兎に、彼は視線を絡ませ…
カチャ…と、静かにコーヒーカップを置いた。
そして
「………!」
スッと右手を持ち上げ…そぅ…っと雪兎の頬を大きな手で包んだ。
びっくりして、雪兎はピクリと震えてしまった。
時春の手は大きくて、熱かった…。
熱っぽい真剣な眼差し…
雪兎の心臓は壊れてしまいそうなほどバクバクだ。
時春の触れた頬が、燃えちゃうんじゃないかと言うほど
とても…熱かった。
「俺は、10年間。
うさが思ってるよりずっと…おまえのことばっかり考えて生きてきたよ……。」
「……っ!!」
雪兎の心臓は更にはね上がった。
時春の熱っぽくて、まるで苦しんでいるかのような切なげな眼差しに……
潤んだ瞳で見上げることしか出来なかった。