子うさぎのお世話




――――その時だった。



「そこの可愛い子うさぎちゃん!なにをしょんぼりしているの?」



「………!」



突然かけられた声に、驚いて顔を上げた雪兎の目の前に現れたのは



可愛い可愛いピンクの…



「うさぎさん…?」



雪兎が瞳を瞬かせ思わずつぶやくと



そのうさぎ(正しくはうさぎのパペット人形) は、



ピョコンと可愛くおじぎをして、雪兎の腕をちょいちょいと叩く。



「そうだよ!子うさぎちゃん!」



可愛らしい仕種のうさぎ(人形)に思わず雪兎の顔がほころんで、ふにゃりと笑顔を見せた。



「…か…、」



「……か?」



一言つぶやくと急に固まってしまったうさぎ(人形)に、雪兎は同じ言葉を復唱すると不思議そうに首をかしげた。






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