子うさぎのお世話
「…そう言えば、うさの悩みって何?」
「………!!」
雑誌を見ていた時春が不意に視線を雪兎に移し何気なく聞かれたその言葉。
――――忘れてた…!!
今の今まですっかり忘れちゃっていた!
今更言い出すのもなんてハズカシイ…。
雪兎の背中をいや~な汗がつたっていた。
「………。」
時春からは疑惑たっぷりの視線を感じる。
「五十嵐に言えて俺には言えないわけ…?」
「……!!」
怖い……!!
見ていた雑誌をパタリと閉じた時春に、じろりとその鋭い瞳に睨まれれば、雪兎は蛇に睨まれたカエル…オオカミの前にいる子うさぎだ。
こっ、怖い…!!
「……教えます…。」