子うさぎのお世話
適わない【side時春】
「………!!!」
雪兎の瞳から涙がこぼれたのを見て、時春は冷水を浴びせかけられた気分になった。
「うさ…!ごめん…!」
雪兎を抱きしめ、今になってやっと自分はなんてことをしたんだ…と、自分自身を殴り付けたくなった。
「ハル、…ハル、ごめん…!こっ、こわくなっちゃ…」
「………!」
それなのにこの小さな少女はまるで自分が悪いとでも言うように…時春にごめんと言う。
胸が締め付けられるようだった…。
俺は、今までどれだけ雪兎を大切に思ってきたんだ……!
それなのに……
築き上げたものすべて無くしてしまうところだった……!!
(…情けね……。)
顔を片手で覆い、はぁーー…と、長いため息がこぼれた。
いくら誘惑に負けたからと言って、明らかによく解ってなさそうな雪兎に…
――――ひでぇことした……。