子うさぎのお世話
ゆっくり
振り返って見れば…
ただただ甘く…優しい笑顔の時春がいた。
――――瞬間
雪兎の瞳からぼろ…っと涙がこぼれ落ちた。
「……っ…」
涙は次から次にこぼれて…ぜんぜん止まってくれない。
時春はゴシゴシと目をこする雪兎の腕をやんわりと押さえ…
今だ涙を溢れさせる雪兎の目尻に、…そっと優しいキスをした。
「10年間…おまえのことだけを好きだった。
これからもずっと…」
「………!!!」
大好きだ…と時春は雪兎の耳元にささやくように言った……。
雪兎は時春の首にぎゅっとしがみつき…
「ハル…っ、ハル…!!わたしのほうが…っ、もっと大好き……!!!」
「うん…、うさ……。」
10年分の思いを込めて…必死で…時春に伝えていた。