子うさぎのお世話
「…は、ハル…っ?」
雪兎が軽くパニックに陥っていると、時春はにこりと笑い
「やっとうさの顔見れた。」
「……!!」
甘い甘い時春の微笑みに雪兎はますます真っ赤に染まる。
子供のように抱きかかえられ、同じ目線にある時春の顔は本当に嬉しげで…
まるで時春の気持ちがそのまま表れてるみたい……。
「…ハル…、わたしのカレシなんだ…。」
思わず雪兎の口から素直な想いがこぼれ出る。
時春は眉をぴくりと動かすと
「あぁ…。とりあえず今の名称はそれだな?」
意味深にニッと笑う。
今の名称…
昨日までは《幼なじみ》で……
今日からは《彼氏》……。
雪兎はじんわりと温かくなる胸をきゅっと押さえていた。
「………。」
そんな雪兎を満足気に見ている時春は……
(今の名称は…な。一生離すつもりはないからな?……次は旦那だ。)
…初々しい雪兎に対し、時春の心の内はなかなかに黒いのだ。