子うさぎのお世話
「……い…」
「うさ?どうしたの…?」
急にうつ向いた雪兎を心配して、棗が慌てて声をかける。
「あれ~?怖がらせちゃった?」
ナンパ男はそんな事を言いつつどこか嬉しげな声を出す。
「…きもちわるい。」
「「………!?」」
しかし、
雪兎は怖がっても脅えてもいなかった。
真夏にも関わらずその瞳にはブリザードが吹雪いているかのような冷たさだ……。
「う…うさちゃん…?!」
棗までもが豹変した態度の雪兎を頬をひきつらせて見ている。
なまじお人形さんのような麗しい美貌を持った美少女であるため、その冷めきった瞳はある種の恐怖を感じさせる。
デリカシーのかけらも見られなかったナンパ男達の口元がひきつっていた。