子うさぎのお世話
「…っ!…なんだてめ…!?」
雪兎に掴みかからん勢いでナンパ男が手を伸ばし…
「うさ……!!」
棗が叫んだ瞬間
大きな長い手がそれを素早く阻んだ。
「俺のうさに何のようだ…?」
「……!!?」
その怒りを湛えた低い声と鋭い眼光にナンパ男達は声もたてずに一目散に逃げ出した。
「ナツ~!うさたん!大丈夫かぁっ!?」
後ろから秋良も慌てて駆けて来る。
「おっそいのよっ!!…どあほっっ!!」
それに気付いた棗が秋良の首を締め上げ、思いっきり八つ当たりを始めていた。
「うさ…っ、遅くなって悪かった…!」
時春がいつものように雪兎を抱き上げ、雪兎の柔らかな頬に自分の頬を押し当てるようにしてぎゅっと抱きしめた。
雪兎は時春の首にぎゅっとしがみつき
「ハルじゃないと、いや…。」
そう小さな声でつぶやいた。