子うさぎのお世話




雪兎の心を急激に冷めさせたのは、あの男のいやらしい視線……



大切な親友までそんな目を向けられているかと思うと吐き気がした。



子供の頃から稀にみる美しさを持った雪兎はああいった視線を向けられる事が多々あった。



あの視線に対する自分の防衛本能とでも言うべきものなのか…



潔癖なほど異常なまでに嫌悪を覚えるのだ。



自分にそれを向けていいのは時春だけだと雪兎は思っている。



彼の熱くて切なくなるほど情熱的な視線なら雪兎はいくらだって熱くなれるのに…



特別ってすごく不思議なのだ。



「本当最悪っ!あんたらも逆ナンされてんじゃないわよっ!?」



「ごめんよぅ~…でもそれ俺らのせいじゃないし~…。」



「なんか文句あんのっ!?」



「…ありませんです。姐御…。」



後ろでは相変わらず棗が秋良に八つ当たり、秋良がよく解らないままに謝り続けている。



いつもの賑やかな光景にクスリと笑みがこぼれた。



その雪兎の落ち着いた様子に時春は安堵したようで…強張っていた顔がようやくフ…と和らいだ。





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