子うさぎのお世話
結局、たいして海を満喫することなくその日はお開きとなった。
棗に水着を返さなければと持って行けば、うさの為に買ったからプレゼントだと笑顔で渡されてしまった。
必ず何かお返しをしようと心に誓い、戸惑いながらもお礼を言って笑顔で受け取った。
「次はプールに行こうね!水着はその時また着て見せてよ?」
「うさた~ん、ハル~まったなぁ!」
笑顔の二人と手を振りあって別れ、雪兎と時春は手を繋ぎ家へと歩き出した。
「…水着。五十嵐が持ってたんだな。」
歩きながら時春がふいに話し出す。
雪兎はうん、と頷くと
「絶対持って来ないだろうからって言って、買ってきてくれてた…。」
そう言って、バックの表面の微かな膨らみにそっと優しく手を置いた。
時春はそうかとつぶやくと、ニヤと笑い
「よく似合ってた。…でも……」
「………?」
そう言って雪兎の耳元に唇を寄せ、
「…すぐに脱がせたくなって困った…。」
…そうささやいた。
「……!!」
雪兎はたちまち真っ赤になってあんぐりと口を開け固まってしまった。
そんな可愛らしい雪兎に対し…
「可愛いな…?」
「~~~!!」
相変わらず時春は艶やかな余裕の笑みをみせるのだった。