子うさぎのお世話
時春の瞳にはほんの少しの戸惑いがあって…
切れ長の黒く美しい瞳が微かに揺れていた。
「ハルじゃなきゃいや…。わたしを見るのはハルだけでいい。」
その瞬間
時春は瞳を大きく見開き驚いた表情をすると…
「………!!」
それから痛いほどの力で、ぎゅっと雪兎を抱きしめた。
「いつからそんな…俺を誘うのが上手くなったんだ…?
これじゃあ…我慢出来なくなるだろ……。」
「………っ。」
かすれた時春の声が色っぽい……。
何だか自分は大それた事を時春に言ってしまったのだろうか…?と、雪兎に焦りが浮かんだけれど…
熱い時春の体を押し退けることは出来なかった。
いや…出来ないじゃなくて自分がしたくない。
時春の体温をもっと……欲しいのかもしれない……。
見上げた時春の顔にははっきりとした情欲が浮かんでいた。
綺麗で色気漂うその顔を見つめ……
雪兎は彼の顔を小さな両手で包むと
「…うさ……?」
その唇に自分の唇をそっと…重ねた……。