月と太陽

カラン━
喫茶店を出た神野はその場で煙草に火をつけた。

「どうでした?」

カズヤが歩み寄ってきた。

「ああ保留だ。わからないことが多い。これから調べる。」

「心配性ですね。へへ。信用出来ますよほんと。奴らは。
こういう悪い人間をやっつけるのが正義でしょ。へへ」

「オマエが信用出来るかどうかは関係ない。なんならオマエ一人でやってもいいぞ。別に俺達はパートナーじゃないしな。」

言いながら神野はまだ3分の1ほどしか吸っていないタバコを筒状のケースに押し込んだ。

「もう…。わかったよ。調べますよ。行きましょ。へへ」


新宿区役所通りを歩き出す神野をカズヤは「はいはい」と言いながら追い掛けた。

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