月と太陽
「さてと…だいたい出たよ。あっち側もマークしてるみたい。自衛隊員みたいだね彼。名前は近藤勇。…38歳か。あと聞きたいことあればいくらでも。」
「まず近藤勇って。本名じゃないとしたらふざけすぎで怖いね。」
美月の発言にリリは冷静に、本名じゃないね。と返した。
萌乃は美月のケータイストラップのまりもを人差し指でつつきながら、挑発的だね向こうと言った。
「うん、簡単にハッキング出来すぎたし、個人情報が細かすぎる。
これは向こうの組織が私達に見せるために用意した情報とみる方が自然だね。」
「しかも私達がソレに気が付くことももちろんわかってるだろうからね、
つまりこれは挑発なわけよね。」
と、ピンクの方だけ三つ編みにした萌乃がどこか嬉しそうな目でリリに同意を求めた。
挑発というより挑戦状だねと美月が言うと、ソレだねとリリが同意した。
「ということはだよ、これは婦女暴行よりも大きな案件に発展しそうだよね。むしろ婦女暴行の件はきっかけってこと?」
萌乃の問いに対して、大きさなんてわかんないよと吐き捨てるようにリリが言った。