月と太陽
店は通り面していて、入って右側にテーブルが2セット縦に並んでいて通り沿いのガラス張りの角のテーブルに男女が座っている。
入り口から左窓際にはテーブルが通りとカウンターに平行した形で横に3セット、こちらの窓も上から下までガラス張りで今は誰もいない。
カウンターは入って奥の左寄りに7席、今は片桐が右から2番目の席に座り里果にセクハラをしている。
窓際の席からトイレとカウンターの間を入ると通りが見えない奥まったボックス席、ここだけは4人掛けではなく8人掛けのテーブルで、今は片桐を除いた5人がここにいる。
奥の角にリリ、隣に美月、向かいの席には端から萌乃、可那、琴音が座っている。
「あたしもわかんないことばっかり。ギリちゃん来たら聞こ。」
「萌ちゃんはわかんないことばっかりじゃない。」
笑いながらリリが突っ込みを入れた時、片桐が戻ってきた。
「終わった?とりあえず最後の資料見てくれ。」
可那が三枚目の紙を一番上に重ねて「え…」と息を飲んだ。
「どうゆうこと?こっち側の人じゃないの??」
琴音が訴えるような目で片桐に返答を求めた。
「ああ。まだ仮説だが、立花は赤かもしれない。」
片桐は左腕のケロイド状の3本の古傷を擦った。