月と太陽

「でももう売ってないとか言っても、オークションとか見れば出てるんじゃない?」

萌乃がケータイを取り出しながら言った。


「あたしは新品しか着ないの!
それにオークションだとこれすごい高いんだよ?定価の三倍でも安いくらいなんだから。」

「あはは!じゃ、オークション見たことあるわけね!
まあ、あるなら買えばいいじゃない。未使用も出てるでしょ?」

「はぁ!?なんで100万も出して買い直すのよ!馬鹿じゃない!?
もうあの頃みたいに2億も3億もあるわけじゃないんだから!」

「10代で2億も3億も持ってて25歳で破産だもんね、濃い人生よね。チョーかわいー。」

萌乃は左に首を傾げながらニンマリとした笑顔を可那へ向けた。


「破産はしてないわよ!!だいたいここあたしの家なんだからね!あんたたち少しは気ぃ使いなさいよ!
片桐に騙されなければまだまだ金だってあったのに!あんた達のせいよ!
それも含めて謝りなさいよ!いま!!すぐ!!」

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