君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「あの…」

「ん?」

「読書は終わったんですか?」

「あ、ああ。(終わったんじゃなくて止めたんだけどな)」

「じゃあ、解らない所があるんですけど、聞いてもいいですか?」

「いいけど、読めない所あった?」

「そうじゃないんですけど、ここが…」

そう言って瑞希は達也が読みやすいようにノートの向きを逆さにした。

「あ、俺がそっちに行くから」

達也は立ち上がって瑞希の隣に座り直した。
少し目測を誤り、瑞希と肩が触れ合う程近かったが、瑞希は特に嫌がる素振りを見せなかったので、(まあ、いいか?)と達也は思った。


「ここなんですけど、公式と少し違う気がするんです」

「ああ、それは公式の応用らしいよ。つまり…」
< 125 / 258 >

この作品をシェア

pagetop