君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
店内に客は一人もいなかった。
商品の値段が高めのため、普段からそう沢山の客が訪れる店ではなく、まして学生や夕飯の買い物がてらの主婦が多い平日の夕方では、客が少ないのはいつもの事だ。
ただしちょっと入り、店内を少し覗いてすぐに出て行く客(客とは言えないかもしれないが)は珍しくはない。
達也と瑞希もそういう客だろうと店員の女性は思い、二人を目で追う事しかせず、店員としての“スイッチ”はオフのままだった。
「すみませーん」
ところが、その二人の内の一人で、高校生ぐらいの年頃なのに服装がシックでセンスが良く、スタイルもルックスも抜群な少年から声を掛けられて、とっさに店員の“スイッチ”が入れられたのだった。
「いらっしゃいませ…」
店員は営業スマイルを顔に浮かべ、達也と瑞希に近付いて行った。
商品の値段が高めのため、普段からそう沢山の客が訪れる店ではなく、まして学生や夕飯の買い物がてらの主婦が多い平日の夕方では、客が少ないのはいつもの事だ。
ただしちょっと入り、店内を少し覗いてすぐに出て行く客(客とは言えないかもしれないが)は珍しくはない。
達也と瑞希もそういう客だろうと店員の女性は思い、二人を目で追う事しかせず、店員としての“スイッチ”はオフのままだった。
「すみませーん」
ところが、その二人の内の一人で、高校生ぐらいの年頃なのに服装がシックでセンスが良く、スタイルもルックスも抜群な少年から声を掛けられて、とっさに店員の“スイッチ”が入れられたのだった。
「いらっしゃいませ…」
店員は営業スマイルを顔に浮かべ、達也と瑞希に近付いて行った。