君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
先程のよりも更に深く、長いキスだった。

「どうだった?」

「うん、苦しくなかったし、気持ちよかった…」

瑞希は頬を赤く染め、潤んだ瞳で達也を見つめた。

「そうか、俺もだよ。(気持ちよすぎて、かなりヤバかったけどな)」

キスの間、瑞希をソファーに押し倒したい衝動と達也は闘っていた。キスが終わった今も、まだそれは続いているのだが。


「達也、体が冷たくなってるよ。何か着ないと…」

いつの間にか達也の背中に回した瑞希の小さな手が、冷えてしまった達也の体温を感じ取っていた。

「そうだな。おまえは風呂に入らなくちゃな」

「うん」

瑞希が離れ、胸に感じていた瑞希の温もりもなくなると、達也は喪失感を覚えた。

(ヤバイなあ。俺、この後がまん出来るんだろうか…)
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