君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「夕べは良く眠れたか?」

「うん。達也は?」

「俺? ん…なかなか眠れなかったかな」

「どうして?」

(それはおまえのせいだろうが…。好きな女に抱き着かれて、平気で眠れる男って、そうはいないと思うぞ)

それを言ってやろうかと達也は思ったが、大きな目で不思議そうに見つめる瑞希を見ていたら、悶々としていた自分が不純に思え、言うのは止めた。

「俺って、あまり寝付きがいい方じゃないから」

「そうなんだ…。私も普段はそうなんだけど、夕べはあっという間に寝ちゃった」

「いろいろあって疲れてたんだろうな?」

「うん…。そう言えば、達也、何か言ってたよね? 何て言ったの?」

「そうだっけ? 忘れちゃったよ」

(やっぱり俺の告白は聞いてなかったか…)
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