君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「よし、じゃあさっそく予約を入れよう…」

そう言って達也が立ち上がり、部屋に行くのを瑞希もその後を着いて行った。

部屋に戻った達也は、ライティングデスクに乗っているノートパソコンの蓋を開け、スイッチを入れて椅子に腰掛けた。

「パソコンで何するの?」

「映画館の予約をしようと思ってさ」

「へえー、パソコンで出来るんだ…」

不思議そうにする瑞希だが、振り向いた達也はもっと不思議そうな顔をした。

「知らなかったのか?」

「うん…」

「家にパソコンないのか?」

「一応はあるけど、滅多に触らないから…」

「ふーん、珍しいなあ」

パソコンにあまり触らない若者がいるなんて珍しい、という意味で達也はそう言った。

瑞希のホームにもパソコンは2台ほどあり、人が操作するのを後ろから見る事はあるが、自分で操作した事は一度もなかった。
< 184 / 258 >

この作品をシェア

pagetop