君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「私は、普通の女の子みたいに遊んだり、恋したりなんて出来る身分じゃないの」

「………」

達也は、何て言っていいかわからなかった。瑞希を救ってあげたい。でも、どうやって?

それが頭の中をグルグルと渦巻いた。


達也は無言で瑞希を抱き寄せた。

「あ…」

「ごめん。俺、どうしていいかわからない。おまえの事、幸せにしてやりたいのに…、情けないよ。でもさ、俺がおまえの事を好きって気持ちは変わらないし、おまえも同じ気持ちでいてくれたら、すっげえ嬉しいよ」

「達也…」

「なあ、もう一度言ってくれよ。俺の事、どう思ってる?」

「す、好きよ。大好き…」

「俺もだよ。いつからかわかんねえけど、おまえの事、すっげえ好きだ」

達也は瑞希の華奢な体をすっぽり包み込むようにして、ギューッと抱きしめた。
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