君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「お、お茶をお出しします」

「要らんから、そこに座りなさい」

「は、はい」

達也の父親がソファーにドカッと座り、その向かいに達也が立ち、瑞希の肩に手を置いて並んで座った。


「昼間、会社に中山という男が来た」

それを聞いて、瑞希は肩をピクリとさせた。
そんな瑞希をチラッと見て、父親は話を続けた。

「顔に大袈裟な包帯を巻いたおかしな男で、言う事がまた奇想天外と思ったんだが、あながちほら話でもないらしいな」

「あいつが何て言ったかは知りませんが…」

「その子を家に帰せ」

達也に話をさせず、問答無用な父親に達也はムッとした。

「今すぐにだ」

「嫌です」

「何だと?」

達也は突然スッと立ち上がった。
父親がビクッとすると、達也は父親を向いたままソファーの横に移動し、床に膝をついた。そして、手を前につくと、頭を下げた。額が床につくぐらいに。
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