君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
犯人の三人は、実は彼女の遊び仲間であり、仲間を売るような真似は出来るはずもない。

ただし、彼女が瑞希を連れ出した事を誰かがしゃべったら、途端に窮地に追い込まれる。

しかし彼女にとっては幸いな事に、口を開く者は一人もいなかった。

彼女が瑞希を廊下に連れ出し、クラスの違う三人の女子に瑞希が連れ去られるのを、実際は何人もの人間が見ていた。

しかし彼らは自分が面倒に巻き込まれたくないのと、止めなかった負い目があるため、誰もそれを言わなかったのだ。


達也は“やっぱりな”と思った。うまく犯人が分かればよいが、たぶんそうは行かないだろうと思っていた。

達也の目的は、むしろこの後にあった。
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