君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
達也が保健室に戻ると、春田は白いブラウスをハンガーに掛けているところだった。

窓際の陽の当たる場所には、女子の上着とスカートがハンガーに掛けられ、ぶら下がっていた。

「あった?」

「あ、はい」

「そこに置いておいて? 後で着せるから」

春田は顎で丸椅子を指し、達也はそこに瑞希のジャージを置きながら、「中山さんは……?」と聞いた。

「眠ってるはずよ」

そう言いながら、春田は瑞希の濡れたブラウスを窓際に吊し、保健室を仕切っている白いカーテンを少しめくった。

「寝てるわ。ちょっと来てごらんなさいよ?」

春田は、何かよい物でも見付けたかのように、達也に手招きをしている。

(女子の寝顔を男が覗いていいんだろうか。しかも瑞希は裸のはずだよな…)

と思ったが、瑞希の様子が気になるので、達也は春田の横に行き、カーテンの向こうを覗き込んだ。
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