君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「まあ、そんなにムキにならないで?」

「え?」

「中山さんは、きっと大袈裟にしてほしくないと思うから」

「でも……」

「これからの事の方が大事だと思うの。つまり、中山さんが二度と虐められないようにする事が……」

「それは大丈夫です」

「どうして?」

「俺が守りますから」


春田は、鋭い目で、口を真一文字に閉じた達也の顔をジッと見つめた。

「素敵……。中山さんが羨ましいな」

「はあ?」

「君は、中山さんの王子様なのね?」

「な、何を言ってるんですか?」

「私も王子様、欲しいなあ…」

春田は上目遣いで達也ににじり寄っていった。

「ねえ、私の事も守って?」

春田の、ルージュで赤く濡れた唇から吐き出される熱い吐息が、達也の首筋を刺激した。
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