君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「む、無理です」

「ダメ?」

「ダメです」


春田は潤んだ瞳で達也を見ていたが、ニッと笑うと「冗談よ」と言った。


「中山さんなんだけど…」

「あ、はい」

「彼女には休養と睡眠と栄養が必要だと思うの」

「はあ…」

「ところで池上君。明日、明後日は用事あるの?」

明日、明後日は土日だった。

「こ、困ります」

「あら、誤解しないで? 別にデートに誘おうってわけじゃないから」

「あ、そうですか?」

「用事あるの?」

「特にはないですけど?」

「そう? ならちょうど良かったわ」

「何がですか?」

春田は「うふふ」と、悪戯っ子みたいに笑うと、達也にとんでもない事を言った。


「君の家で、中山さんの面倒を見てあげて?」
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