君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「そんな事、有り得ません」

普通の家庭を知らない達也でも、具合の悪い娘を何日も他人の家に預ける親がいるとは、思えなかった。

「じゃあ、ホームに連絡が取れたら面倒見てくれる?」

「いいですよ。どうせ有り得ないから…」

達也も春田も、互いにフッと不適な笑いを浮かべあった。


「あ、それと……」

達也は、春田の提案が非常識である理由のもう一つに気付いた。

「男と女が同じ家に寝泊まりして、何かあったらどうするんですか?」

「あら? 君は体が弱った女の子を襲ったりするの?」

「そ、そんな事はしません!」

(たぶん、だけど…)

「だったら問題ないんじゃなくて?」

「そうですけど……」

(ちょっと自信ないかなあ。でも、どうせそうはならないから、いいか?)
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