君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
「そう? やっぱり、そうする?」

「はい…」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。家の人に連絡しちゃったんでしょ? 今更“やっぱり帰ります”なんて、おかしいでしょ?」

(なんで俺、こんなにムキになってんだろ…)

「それもそうね。どうする、中山さん?」

「でも…池上君に迷惑ですから…」

「迷惑なんかじゃねえよ!」

突然発した達也の大声に、瑞希は驚いて肩をピクッとさせた。

(しまった…)

「迷惑なんかじゃないから、家に来いよ。な?(俺、なんでこんな事言ってるんだ?)」

今度はうんと静かな声でそう言うと、瑞希は達也を見つめながら、小さく頷いた。

「よし、いい子だ。(喜んでるし…)」
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