君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
中庭に出た達也は、顔に当たる風を冷たく感じた。
4月の末にも拘わらず、今日は朝からどんより曇った肌寒い一日だった。
達也は鞄を地面に降ろし、素早く制服の上着を脱ぐと、ジャージ一枚の姿で大人しく立つ瑞希の肩に、それをふわりと掛けてあげた。
「あ、私は大丈夫ですから…」
「冷えると体に毒だよ?」
「でも、池上君が寒いでしょ?」
「俺は全然平気だよ。寒さには強いからさ」
ワイシャツ姿になった達也は、本当は寒さで身震いしたいところだが、グッとそれを堪えていた。
(先生、早く来てくれねえかな…)
そんな二人を、通り掛かる生徒達がジロジロ見て行ったが、達也は全く気にしなかった。
(どうせクラスで宣言したんだからな。むしろ噂が広まれば好都合さ)
4月の末にも拘わらず、今日は朝からどんより曇った肌寒い一日だった。
達也は鞄を地面に降ろし、素早く制服の上着を脱ぐと、ジャージ一枚の姿で大人しく立つ瑞希の肩に、それをふわりと掛けてあげた。
「あ、私は大丈夫ですから…」
「冷えると体に毒だよ?」
「でも、池上君が寒いでしょ?」
「俺は全然平気だよ。寒さには強いからさ」
ワイシャツ姿になった達也は、本当は寒さで身震いしたいところだが、グッとそれを堪えていた。
(先生、早く来てくれねえかな…)
そんな二人を、通り掛かる生徒達がジロジロ見て行ったが、達也は全く気にしなかった。
(どうせクラスで宣言したんだからな。むしろ噂が広まれば好都合さ)