君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
車に乗り込んだ達也は、ふとある事に気付いた。

「あ、先生。中山さんの制服、干したまま置いて来ちゃいましたね?」

「まだ乾いてないから、あのままにしましょ? 明日か明後日、君のマンションまで届けてあげるわ」

「でも、明日は休みでしょ?」

「私は出勤日なの」

「そうなんですか。大変なんですね」

「そうよ。大人って大変なんだから…」

とか言いながら、春田は鼻歌交じりにシートベルトをすると、「出発〜!」と言って車を走らせた。


「池上君のマンションって、たしか隣の市だったわよね?」

「あ、はい。よく知ってますね?」

「まあね。じゃあ、駅の近くのショッピングモールに寄らせてもらうわね? 少し買い物したいから」

「どうぞ、いいですよ」

(先生は何を買うんだろう…)
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