君に笑顔を ~地味子に恋したイケメンのお話~
春田のちょっと落ち着きのない、危なっかしい運転で車はショッピングモールの駐車場に停められた。

「大急ぎで買って来るから、あなた達は車の中で待っててくれる? 音楽は流しておくから」

「いいですけど、音楽は止めてください」

「あら、そう?」

訳の分からないK-POPが車内に流れていたが、春田は不思議そうに首を捻りながらそれを停止させた。


「中山さん、ちょっと…」

春田は瑞希に手招きをし、瑞希が運転席に身を乗り出すと、その耳元に口を寄せてゴニョゴニョと何やら囁いた。

すると、途端に瑞希は頬を赤らめ、やはり春田の耳に口を寄せると、ゴニョゴニョと何やら囁いていた。


(何、内緒話してんだよ…)


「オッケー。じゃ、ちょっと行ってくるわね?」

春田は助手席に置いたバッグを掴み上げ、運転席のドアを開けて出る瞬間、「あ…」と言って瑞希を振り返った。

「色は任せてくれる?」

それに対して瑞希は、赤い顔で小さく「はい」と答えた。


(色……?)
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