ゆー君のゆーうつ。
『あの……桜のときは、すっごい大人っぽい人だな、って思ったの。
それで、入学式で挨拶してるし……。2つも先輩なんですね!間違って……ごめんなさい。
あと、さっきはほんとにありがとう!』
「構わないよ。で、君の名前は?」
相当焦っているのか、日本語になっていない日本語でまくし立てた彼女にこう言った。
『あ……、吉田未来です。みんなからは、みーちゃんって呼ばれてて……』
「みーちゃん?なんだかネコみたいだね」
『ネコ……は……はじめて言われた……かな?』
今度は顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。
泣いたり、笑ったり、焦ったり、恥ずかしがったり……。
この短時間で彼女の色んな顔を見たな……。
それがやけにおかしくて、オレは笑いが込み上げて来るのを抑えられなかった。
「はははっ、あんた、百面相みたいだ」
『ひゃくめんそう……?』