ゆー君のゆーうつ。



そんな、完全に感情むきだしのオレに先に気が付いたのは、男の方だった。

男が未来に何かを囁くと、彼女はびっくりした様子でこっちを振り返った。




『ゆー君!』

いつもと変わらない笑顔とその声に、オレはなぜだかすごくイライラした。




「ちょっと、来てよ」

言葉は優しく言ったつもり。

だけどカノジョの腕を掴んだ力はとても強かったと思う。





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