ゆー君のゆーうつ。



そして、びっくりした表情のままの彼女を引き寄せ、その腕を引っ張って、教室を出た。




『ゆー君?どうしたのっ?』

そのまま階段を上り、図書室の前まで来たとき、相変わらず腕を掴まれたままの、カノジョにそう言われて、ふと我に返った。



『……あの……ゆー君?』

慌てて、掴んでいた腕を離した。



『どうしたの?いやなことでもあったの?未来、そんな怒ったようなゆー君、はじめて見たよ...』


口ではそう言いながらも、怖がっているのかもしれない。

手が震えている。




……怒る?

オレが?

なんの理由があって?




< 30 / 56 >

この作品をシェア

pagetop