ゆー君のゆーうつ。
「……なに?」
『……みんな見てる……』
今日までずっとソツがないだの、完璧だの、言われてきたこのオレが。
…………すっかり忘れてた。
そう。
今は朝の登校時間。
そしてここは多くの生徒が通る校門付近。
夢中になっていて気付かなかった。
さっきから、通る人たちからの視線が痛い。
『そりゃ、みんな見るよ。ゆー君、学校でいっちばん有名だもん』
「……いちばん?」
『かっこいいし、賢いし、学園の王子って』
いやまあ……
有名じゃなくてもこんなとこでこんな話してたら誰だって気になるよね……。
でも、そんなこと、正直どうでもいい。
今までうやむやにしたままのオレの気持ちが届いてほしい。