Anniversary
そんな空気を
破ったのはハルだった。
『ホントのとこ
俺病気らしいんだ
心臓が悪いんだって』

そんな...
せっかく逢えたのに。
やっぱり神様なんて
いないんだ。

『だからもう
屋上から見てるお前に
サッカーしてるとこ
見てもらえないんだ』

知ってたんだ。

「そんな顔してたら
彼女が悲しむよ」

こんな時に
一番言っちゃいけない
言葉が出てしまった。

『彼女って?』

「グラウンドに
ハルが倒れた時に
走ってったじゃん」

『あれは幼馴染みの
姉ちゃんだよ』

と言うとハルは
しばらく黙りこんだ。

私はこんなときに
ホッとしてしまう。

ばかだな。
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