Anniversary
いつもと変わらない
春の暖かい空気が
私を包み込む。
私は校舎の屋上で
日向ぼっこをしながら
グラウンドの
ハルを見るのが
当たり前になった。
つまらないと
思っていた高校生活が
だんだん楽しく
なってきた気がする。
そんなある日
いつものように
グラウンドを
見下ろしていた時だった
ハルがいきなり
倒れこんだ。
驚きと動揺を
隠せない私は
ハルの名を
叫びそうになった。
その時
『ハルー!!!』
グラウンドの隅から
一人の女の子が
ハルに駆け寄る。
心配そうにハルに
寄り添う。
私は何故か
胸がズキズキするような
感覚を覚えた。
やっぱり私は
ハルが好きなんだと
実感した瞬間だった。