Anniversary
アヤは返事をしない
私に一生懸命
語りかけてきた。

『タバコ一本もらうよ』
とか言いながら
もう火をつけていた。

吸えないタバコを
むせながら吸う
アヤの第一印象は

"変なヤツ"だった。

それから毎日の
ように屋上に来ては
私のタバコを
吸っていた。
返事をしない私に
アヤは語り続ける。

学校生活
家族の事
バイトの事
好きな人の事

別にどの話にも
興味が沸かなかった。

それでもアヤは
笑顔で一生懸命
話し続けた。

いつからか
屋上でハルを見つめて
いたのが

アヤを待つと
いう事に変わっていた。

アヤとは仲良くなりたい

自分からそう思えたのは
久しぶりだった。
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