FLOWER PRINCESS


いつの間に、寝てしまったのだろう。

外はもう暗くなっていた。

コツコツと階段を降りる音が聞こえる。

「カイラ…。」

目の前に現れたのは、

数時間前、ミラを裏切ったカインだった。

「カイン……。」

もう一度、名前を呼ぶミラ。

「しっ!」

口元に指を押さえて言うカイン。

「ミラ、

今から言うことをよく聞いて…。」

「カイン?」

優しい口調の、いつものカインだった。
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