FLOWER PRINCESS
昨日と同じ声が聞こえた。
周りを見渡しても誰もいない。
「ありがとう。バラさん。」
ミラはバラに向かって微笑み、歩き出した。
城内に着くと、
「ミラ様っ!」
執事のルナが後ろから走ってきた。
「もう、酷いです。馬車を止めている間にそそくさと行ってしまうなんて…。」
「ごめんなさいね?噴水の近くに咲いてたバラを見たかったのよ。」
「…それなら、仕方がないです。でも、これからは一緒に見させてください。」
「わかったわ。一緒に見ましょうね。」
ミラが微笑むと、ルナも微笑んだ。
「あっ!!」
急に何かを思い出したかのような声を出すミラ。